株価は日々変動し、投資家にとって価格の動きは常に気になるところです。
その変化を測る指標の一つが「騰落率」です。
騰落率は、株価が一定期間内にどれだけ上昇・下落したかを表す指標であり、投資の判断材料として重要な役割を果たします。
この記事では、騰落率の基礎知識から、注意点まで、投資家にとって役立つ情報を解説します。
騰落率とは
騰落率とは、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年など決められた2つの時点の価格を比較し、何パーセント上昇または下落したかを示す指標です。
主に長期の価格動向を把握するために使用され、株式、投資信託、保険、不動産、商品などの分野で利用されます。
しかし、過去の価格変動が将来の投資成果を保証するものではないため、騰落率だけで投資を判断するのは危険です。
投資情報サイトや証券会社では、騰落率ランキングなどのサービスを提供しています。
騰落率を見て「上がっている銘柄がさらに上がる」と考える人もいれば、「下がっているからそろそろ回復するだろう」と考える人もいます。
しかし、騰落率は期間の最初と最後の変化率しか示さず、期間中の値動きなども考慮する必要があります。
株価の騰落率の計算方法
株価の騰落率は前日と比較して算出されます。
計算式は、(当日の株価-前日の株価)÷前日の株価×100です。
例えば、当日の株価が3000円で前日の株価が2800円なら、騰落率は約7.14%になります。
株価騰落率は一般に株式情報ツールで提供されますが、自分で計算することで値動きの感覚をつかむことができます。
騰落率を使って銘柄を判断する注意点
騰落率は銘柄を評価する際に有用ですが、注意が必要です。
誤解を避けるために、注意点を確認しましょう。
1.騰落率でわかるのは過去の情報
騰落率は過去の情報を示す指標であり、将来性を判断するためには不十分です。
騰落率が低下していても、将来的に上昇すると見込む場合もありますし、逆にさらに低下する可能性もあります。
そのため、経済情勢や企業の業績など、他の情報と総合的に判断することが重要です。
2.高い騰落率に潜む投資のリスク
騰落率が高い銘柄や商品に惹かれることがありますが、その騰落率は必ずしも企業や国の成長などポジティブな要因によるものではありません。
暴落や反発によって一時的に急騰することもあります。
例えば、トルコ関連の投資信託が2019年にリラの暴落の反動で騰落率が急上昇したケースがあります。
騰落率だけで判断すると、値動きが不安定で高リスクな銘柄もありますので、投資の際には慎重に判断することが重要です。
3.騰落率がプラスでも投資の仕方でトータルはマイナス
騰落率は、対象とする期間によってプラスやマイナスが変化することがあります。
例えば、数ヵ月の期間ではプラスに推移していても、直近数日で見ると株価が下がっていることもあります。
そのため、自分が売買を行ったタイミングも重要で、主要な騰落率がプラスでも、自分の投資トータルはマイナスになる場合もあります。
したがって、騰落率を見る際には複数期間の騰落率を考慮することや、自分が投資を始めたタイミングを意識することが重要です。
4.投信は騰落率が高くても分配金が下がる
投資信託で騰落率が高いものに惹かれて選ぶと後悔することがあります。
なぜなら、投資信託では騰落率がプラスであっても、投資家が受け取る分配金が上がるとは限らないからです。
分配金が支払われると、投資信託の元本である基準価格が減少する可能性があります。
リスク管理のために、分配金を留保して基準価額の減少を防ぐことがあるため、選択時に注意が必要です。
これは投資信託特有のデメリットであり、慎重に考慮する必要があります。
まとめ
騰落率は、投資家にとって重要な指標の一つです。
騰落率の種類、活用方法、注意点などを理解することで、より効果的な投資判断が可能になります。
投資はリスクを伴う行為であることを常に念頭に置き、長期的な視点で投資に取り組みましょう。