タコ足配当とは?初めてでもわかりやすい用語集

金融・証券用語集

 

タコ足配当とは、企業が原資となる十分な利益がないにもかかわらず、過分な配当金を出すことをいいます。

この記事では、タコ足配当とは何か、その背景や問題点、タコ配企業の見分け方について解説します。

タコ足配当を理解して、より効果的な株式投資を行いましょう。

 

タコ足配当とは何か

 

タコ足配当とは、 実際には配当に必要な利益が出ていないのにもかかわらず、無理に配当を行うことです。

タコ足配当は、見た目には配当金が高いため魅力的に感じられますが、実際は資産を売却したり、積み立て金を取り崩したりして配当金に回しているだけで、業績や財務状況に難点がある可能性があります。

タコが自分の足を食べるのに似ていることから、このように表現されます。

 

 

タコ足配当の背景や問題点

 

タコ足配当が行われる背景には、企業の業績低迷や財務状況の悪化があります。

企業は、株主に対して配当金を出すことで、株主からの信頼を得ることができます。

しかし、業績低迷や財務状況の悪化により、企業が本来分配可能なだけの額の剰余金がない場合、過分な配当金を出すことで、株主からの信頼を得ようとする企業があります。

 

タコ足配当が問題視される理由は、配当金が高いにもかかわらず、実際には企業の業績や財務状況に難点がある可能性があることです。

タコ足配当を行っている企業は、資産を売却したり、積み立て金を取り崩したりして配当金に回しているだけで、本来は投資や事業拡大に回すべき資金を配当金に充てているため、将来的に企業の業績低迷や財務状況の悪化につながる可能性があります。

 

タコ配企業の見分け方

 

タコ配企業を見分けるには、配当性向という指標を使うことができます。

配当性向とは、企業が決めた利益還元率の方針で、純利益の30%を配当するという方向性さえ決めていれば、利益の増減に応じて配当を増やすことも減らすこともできるというものです。

一般的な配当性向は「30%程度」であり、利益の30%を配当にまわし、残りの70%を将来の成長への投資や内部留保に当てていることを意味します。

配当性向が30%であれば、将来配当にまわすことのできる余地(70%分)があるため、無配になるリスクは低いです。

しかし、配当性向が100%を超えてしまうと、1年間に稼いだ利益のすべてを配当金支払いに充ててもまだ足りない状態となります。

よって、配当性向が100%を超えている企業は、配当金を支払うために利益以外から現金を調達する「タコ配」状態だと見分けることができます。

 

以上が、タコ配企業の見分け方です。

投資家は、配当性向や業績が順調かをしっかりチェックすることをおすすめします。

 

 

 

まとめ

 

タコ足配当は、企業が原資となる十分な利益がないにもかかわらず、過分な配当金を出すことをいいます。

タコ足配当は、その企業の経営者が「今は将来への投資は後回しにしています」というメッセージを発しているととらえることができます。

タコ足配当には、財務上の問題や今後の成長力にブレーキがかかる可能性があることを理解しておく必要があります。

 

投資家にとっては、利回りが高くなり魅力的に見えてしまいますが、過剰な配当金を支払うことで、将来的に企業の業績低迷や財務状況の悪化につながる可能性があることを忘れてはいけません。

四季報や投資情報サイトで過去数年分の利益と配当を確認することで、長期的な配当金投資を検討する場合には、より正確な情報を得ることができます。

また、企業の株主還元に対する考え方もよく理解しておくようにしましょう。

 

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