信用残で株式投資のチャンスを掴む!信用残の見方と活用法

金融・証券用語集

 

信用残とは、信用取引で決済されずに残っている株式の残高のことです。

信用取引とは、証券会社から一定期間、株式や購入資金を借り入れて行う売買取引のことです。

信用残は、信用買い残と信用売り残の二つに分けられます。

信用買い残とは、証券会社から借りた資金で株式を買ったままの残高のことで、信用売り残とは、証券会社から借りた株式を売ったままの残高のことです。

信用残は、株価の動きを予測する上で重要な指標の一つです。

この記事では、信用残の見方と活用法について解説します。

 

信用残の見方

 

信用残の見方には、以下の三つのポイントがあります。

 

  1. 信用倍率
  2. 信用買い残と信用売り残の増減
  3. 空売り残高比率

 

1.信用倍率

 

信用買い残と信用売り残の比率を信用倍率といいます。

基準値は1となります。

1よりも大きくなれば買い残が売り残よりも多いことになり、逆に数値が1未満になれば売り残が買い残よりも多いことを表します。

 

計算式は「信用買い残高÷信用売り残高」です。

 

信用買い残高が1,000万株であるとき信用売り残高が2,000万株であれば、「1,000万株÷2,000万株=0.5」となり、信用倍率は0.5です。

 

この場合、売りが買いよりも多いです。

信用倍率が高いということは、信用買い残が信用売り残よりも多いということです。

信用買い残は、将来の売り需要の積み上がりといえるので、信用倍率が高いと株価にとってマイナス要因となります。

逆に、信用倍率が低いということは、信用売り残が信用買い残よりも多いということです。

信用売り残は、将来の買い需要の積み上がりといえるので、信用倍率が低いと株価にとってプラス要因となります。

 

信用買い残と信用売り残の増減

 

信用買い残と信用売り残の増減は、信用取引の参加者の心理や市場の状況を反映しています。

 

信用買い残が増加するということは、信用取引の参加者が株価の上昇を期待して買いに走っているということです。

しかし、信用買い残が増えすぎると、株価が下落した場合に損失を抱えた信用買い残が売りに転じる可能性が高まります。

そのため、信用買い残の増加は、初期の段階では人気のバロメーターとして評価されますが、ある程度以上になると株価の天井を示唆するサインとなります。

 

逆に、信用売り残が増加するということは、信用取引の参加者が株価の下落を予想して売りに走っているということです。

しかし、信用売り残が増えすぎると、株価が上昇した場合に損失を抱えた信用売り残が買い戻しに転じる可能性が高まります。

そのため、信用売り残の増加は、株価の底を示唆するサインとなります。

 

空売り残高比率

 

空売り残高比率とは、信用取引において空売りされ、買い戻されていないまま売り建て状態にある空売りの残高を1日の出来高で割って算出した比率のことです。

 

計算式は「空売り残株数÷1日の出来高×100」です。

 

例えば、空売り残高数が50万株のAとBという銘柄があったとします。

1日の出来高はAが500万株、Bが1,000万株だとすると以下のようになります。

 

銘柄A:50万株÷500万株×100=10.0%
銘柄B:50万株÷1,000万株×100=5.0%

 

上記の場合、空売り残高比率はAが10.0%でBは5.0%です。

Aのほうが数字が大きいため、出来高全体に対して空売りが沢山あることを表します。

よって、買い戻しが多くでたときに株価へ与える影響も大きいのです。

 

このため、空売り残高比率の割合が大きいほど上昇時の勢いが強いと予想できます。

空売り残高が同じでも、出来高の水準によって、買い戻しのインパクトは異なります。

空売り残高比率が高いということは、出来高に対して信用売り残が多いということです。

空売り残高比率が高い銘柄は、買い戻しが株価に弾みをつける可能性が高いです。

一般に、空売り残高比率が10%を超えると、空売りの買い戻しが株価に与える影響が大きくなるといわれます。

 

 

 

信用残の活用法

 

信用残の見方を理解したら、次は信用残の活用法について学びましょう。

信用残の活用法には、以下の方法があります。

 

  • 信用残の推移をチャートで確認する
  • 信用残のランキングを参考にする

 

信用残の推移をチャートで確認する

 

信用残の推移をチャートで確認することで、株価の動きと信用残の関係を視覚的に把握することができます。

信用残のチャートは、信用買い残と信用売り残のそれぞれの推移を線グラフで表したものです。

信用買い残と信用売り残の差を棒グラフで表したものもあります。

信用残のチャートは、株価のチャートと併せて見ることで、株価の上昇・下落のタイミングや勢いを判断するのに役立ちます。

 

例えば、株価が上昇しているのに信用買い残が減少している場合は、信用買い残の整理が進んでいるということで、株価の上昇余地があると判断できます。

逆に、株価が下落しているのに信用売り残が減少している場合は、信用売り残の買い戻しが進んでいるということで、株価の下落余地があると判断できます。

 

信用残のランキングを参考にする

 

信用残のランキングを参考にすることで、信用取引の参加者の心理や市場の状況を把握することができます。

信用残のランキングは、信用買い残や信用売り残の多い銘柄や、信用倍率や空売り残高比率の高い銘柄を順に並べたものです。

信用残のランキングは、株式市場の注目度や人気度を表す指標として利用できます。

 

例えば、信用買い残の多い銘柄は、信用取引の参加者が株価の上昇を期待している銘柄である可能性が高いです。

逆に、信用売り残の多い銘柄は、信用取引の参加者が株価の下落を予想している銘柄である可能性が高いです。

また、信用倍率や空売り残高比率の高い銘柄は、信用取引の参加者の間で意見が分かれている銘柄である可能性が高いです。

信用残のランキングは、自分の投資判断と照らし合わせて、株式市場の流れを読むのに役立ちます。

 

 

 

まとめ

 

信用残とは、信用取引で決済されずに残っている株式の残高のことです。

信用残は、信用買い残と信用売り残の二つに分けられます。

信用残は、株価の動きを予測する上で重要な指標の一つです。

信用残の見方には、信用倍率、信用買い残と信用売り残の増減、空売り残高比率の三つのポイントがあります。

信用残の活用法には、信用残の推移をチャートで確認する、信用残のランキングを参考にする方法があります。

信用残を上手に活用して、株式市場の流れを読み取りましょう。

 

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